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ふるさとの懐かしき景色よ、
ふたたび
「むかしの写真集 閖上」
有志の力で再販へ―

 
東日本大震災による津波の影響で、壊滅的な被害を受けた名取市閖上地区。地域住民のほとんどが避難生活を送るなか、かつての美しい町の記憶を取り戻そうと、閖上地区出身の有志によって明治・大正・昭和の風景を集めた写真集『むかしの写真集 閖上―大切なふるさと懐かしい町並み』が再版されることになった。
 
7年前の初版

写真の持つ力で、
地域を元気に
 
この写真集は、2004年に閖上地区の写真愛好家グループ「ゆりあげざっこ写友会」のメンバーが初版1000部を出版し、完売したもの。
 
写真集に収められているのは、伊達政宗公の命による「貞山堀開削」以降、港町として活気あふれる時代を過ごしてきた人々の日々の営みを切り取ったもの…など、地元写真愛好家たちのファインダーを通した百数十枚。津波で思い出のアルバムを流されてしまった人たちから「昔を思い出す手立てがない」という声があがったことから、「ゆりあげざっこ写友会」で、写真集再版の協賛を呼び掛けたところ、閖上出身者を中心に、さまざまな人からの支援を受けることができたのだという。
 
現在制作中のこの写真集は、さとう宗幸さんが歌った『閖上讃歌』のCDをつけ10月下旬に発行予定で、閖上地区の被災2000世帯すべてに無料で配布されるほか、1,000部限定で1冊1500円(写真集のみは1000円)で一般発売される。発行後には、写真集から厳選された30点ほどを、名取市役所や仮設住宅集会所にてパネル展示を行う予定だ。復旧から復興へ―。閖上の地域住民自身の手によって、その大きな一歩が今、踏み出されようとしている。
 

 
閖上讃歌
 
作詞:片桐則夫
作曲:さとう宗之
 

水ぬるむころの 春の渡し
げんげ田を鋤く 黒牛の背
今はもう 陽炎のかなた
想う人はすでに 去り行きし
 

磯の香あふれる 松林
さえずるひわの音 防風林
今はもう 波間に消えて
ただよう流木 姿ひとつ
 

笛の音冴える 秋祭り
稚児の行列 大漁旗
今はもう はやし疲れて
西の空流れる いわし雲
 

風光る野の道 白い山脈
小正月に集う 子等の声
今はもう 雪にかくれて
ただ有明の月の光
 

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